PLUS COLOR カラーを仕事と日常に役立てるテクニック 第2号
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前号では、「色選びに注意を払う」ということをお伝えしました。
今号では、「ふさわしい色選び」について考えていきたいと思います。
●「ふさわしい色とはどういうもの?」
いきなりですが、 デザイナーさんのように「感性」重視の方は 理論を毛嫌い(?)する傾向にあるようです。
ただ、カラーの専門的な知識がない方からよく聞く悩み(?)に 「好きな色ばかり使ってしまう。マンネリしてしまう」 というのがあります。
そうなんです。 あまり深く考えないと、つい好きな色を選んでしまうのです。
セラピー的側面から見ると「あれ、コレ作った人ちょっと 悩み事でも抱えてるのかも…」なんてバレてしまうかも(笑)。
色の知識があれば、ご自分の引き出しだけでなく、 他人の引き出しを開けながらお仕事をすることができます。 マンネリもなし! 「いっつも同じだね」と言われることもなし!
ではでは、実際に、何かの色を選びたいときはどうすればいいのか… というときの方法ですが、
まずは「どんなイメージにしたいのか」 はっきりさせてください。
「コンセプト」ともいいますが、基本的な考えの軸をはっきりさせましょう。
最初は難しいと思います。単語でも結構です。 さわやか、とか、あたたかい、とか、親しみやすい、とか誠実、とか…いろいろありますよね。 できるだけ多くあげてみてください。 その中でいちばん伝えたいのは?? それが決まれば、そのイメージにあう色を選んで行けば良いのです。
例えば「元気がいい」 というイメージを伝えたい場合。 明るい色と暗い色とでは、どちらがふさわしいですか?
また、青などの寒色系と、オレンジや黄色などの暖色系では どちらが「元気がいい」イメージを伝えられそうですか? 単色で表現しようと思えば、断然暖色系だと思いますが、 たくさん使っていいのであれば、明るいハッキリした色ということで 青が少しくらい入っていても良さそうですね。注意しなければいけないのは、 はっきりした色(あざやかな色)をあまり大面積に使用するのは 避けた方が無難だということです。
赤、青、黄、オレンジ…などの「色み」のことを「色相(しきそう)」と いいますが、
より、「元気」を伝えられる色相を選んで、広い面積に使う場合は その色に白を混ぜる感じで少し薄くしてみてはいかがでしょう。
また、多色使いの場合、まとまりがなくなってしまうことがありますが、 これは、「使っている色に何の共通性もない」という事が考えられます。
想像してみてください。 あなたに絵の具を一色だけ持っていて、その色で絵を描くとします。
濃淡を表現するためには、そのまま塗ったり、水で薄めたりしますよね? そのように同じ「色相」で「濃淡」がある配色は、調和します。
それから、あなたが白と、黒、それから虹の7色の絵の具を 持っていると考えてください。 赤、橙、黄、緑、青、藍、菫…。
パレットに同じ量ずつ、絞り出しました。 これらの色は、同じ鮮やかさを持つ色同士ということで、
共通性があると考えられます。 (絵の具の場合、厳密には全く同じ鮮やかさではありませんが…)
そこに、白の絵の具を加えてみましょう。 同じ量ずつ…。。。
さわやかな色ができそうな気がしませんか?もとい。白をやめて黒の絵の具を加えてみましょう。
同じ量ずつですよ…。。。 少し大人っぽい色になりそうですか?
では、灰色(白と黒)の絵の具を加えたとしたら… スモーキーな色ができあがるはず。
白が多ければやさしくやわらかい感じ。 黒が多ければ、地味な感じになっていきます。イメージできましたか? 文章でお伝えするのは大変です(笑)。 これらの色の調子を「トーン」といいます。
「色相」が違っていても、「トーン」が同じ色同士は 調和しやすいです。また、白を少し加えた色と、たくさん加えた色、というのもOK。 ただし、白を加えた色(澄んだ色)と灰色を加えた色(濁った色) の組み合わせには注意が必要で、澄んだ色まで汚く見える場合があります。このように、「トーンを揃える」というのが一つの方法です。
その上で、文字の見やすさなどに気を配ってください。
細かい文字に色を多用するとうるさくなりますので、注意してください。そして、最後に「伝えたいイメージは伝わっているか」確認してくださいね。
イメージできませんか?
みなさんは普段、人のファッションを見て「上品そう」とか「ケバい」 感じる心をお持ちですよね…。
その視点をご自分に向けてください。 確かに、他人のチェックより難しいと思います。
でも、前回お伝えしたように、これがいちばん大事です!ところで…、普段絵の具なんて使いませんよね。
パソコンがほとんどですよね。
次回は、パソコン上での色の選び方について…、 (私なりの方法ですが)お伝えする予定です。かなり長くなってすみません。では次号までに 「イメージ」について考えてみてくださいね(笑)。
おつきあいくださいまして、ありがとうございました。
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